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コラム
Column
離婚・男女問題

離婚ビジネスという言い方。

太田「何かよく離婚ビジネスという言葉をここ数年でよく聞くようになったんだけど…すごく違和感があってね。」
 
Lちゃん「これ、弁護士が離婚ビジネス云々って批判してると、『あなたは無料で事件を引き受けるのか!』って思っちゃいますよね(笑)」
 
太田「そうそう。離婚を請求する側の代理人弁護士を離婚ビジネスと批判するなら、結局請求された側の代理人弁護士も離婚ビジネスになってるじゃん、その分需要が増えるんだし(笑)。弁護士は絶対批判できないね。まあ、冤罪DVを離婚事由として強引に離婚請求する事案ってのも割とあるみたいで、それを『離婚ビジネス』って呼ぶのはまだ分からなくないの。だけどさ、やっぱりおかしい点がいくつかある。」
 
Lちゃん「おかしい点…何でしょう?」
 
太田「第一に、弁護士はそのDVが冤罪かどうかなんか分からない。神様じゃないんだから。」
 
Lちゃん「あれ、これ冤罪DVかな、と思っても依頼者の利益になるように動かないといけないですしね。」
 
太田「よっぽどデタラメだと思えば、私は辞任するだろうけどね。第二に、『離婚事案全体』が悪なんじゃない、冤罪DVなどで離婚請求しようとすることや、冤罪と分かっててそれに手を貸す弁護士(もしいたら)が悪なの。だから離婚ビジネスという呼び方は誤解を招く。」
 
Lちゃん「なるほどー。ちなみに相手方代理人だけじゃなく、相手方(特に男性)が離婚ビジネスって言ってるのも、微妙な感じがしますが…」
 
太田「それはね、自分に離婚を請求される原因が全くないみたいな言い方するからですよ。離婚請求されてるのはあたかも全て離婚を得意とする弁護士のせいみたいな言い方を…」
 
Lちゃん「多少は自分を省みた方がいいですね、多少は!」
 
太田「そう。もちろん、配偶者がなぜ離婚を請求してくるのか、それはあなたのせいかもしれないし、配偶者に別の相手ができたからかもしれない。だけどね、全部弁護士のせいにするのは間違い。最終的に判断したのは配偶者なんですから。」
 
Lちゃん「弁護士のせいにしてしまうと、まるで配偶者に自分の意思がないみたいですよね。」
 
太田「ただね、当事者がそういう言い方をするのはまだ分かるの。当事者だけに冷静な判断ができないかもしれないし、当事者は素人だ。だけど弁護士は…離婚ビジネスなんていうタームを使うのは語彙が貧困だし、何より自分の首をキュッって締めてますよ(笑)」
 
Lちゃん「離婚請求された人対象のビジネスをしたい、とも聞こえます。うがった見方ですが。」
 
太田「ね、だから離婚ビジネスなんて言い方しちゃダメなのよ。少なくとも我々は慈善事業をしているわけじゃないんだから。」
 
Lちゃん「先生、離婚ビジネスという言い方の根底に『離婚は悪だ』という考え方があるように思います。」
 
太田「離婚は悪って、どこのカトリックの国の話ですか(笑)。でも、確かに日本はまだまだそういうところがあるね。離婚は善ではないですが、悪でもない。離婚は離婚。それだけ。」
 
Lちゃん「離婚が悪だとすると、離婚した親の子どもも肩身狭くなってしまいますよね…」
 
太田「そうだよ! お父さんお母さんは悪いことをしているわけじゃありません。だんだん話の収拾がつかなくなってきましたが、弁護士が別の弁護士の仕事を離婚ビジネスと揶揄するのは間違い、ということで。」