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コラム
Column

公正証書遺言のメリット。

太田「Lちゃん、公正証書遺言のメリットってなんだろう?」
 
Lちゃん「うーん、何だかとってもカチッとした遺言な感じがします。」
 
太田「まあ、一般の人はそんなイメージしかないかもね。だが、Lちゃんは法律事務所で働く女子だ! 何か1つはちゃんとしたメリットを挙げてください。」
 
Lちゃん「えーと、公証役場に行かないと作れないんですよね。公証人がチェックしてくれるから、例えば法的に無効な内容の遺言が作成されない、とか?」
 
太田「それは1つメリットですね。ちなみに弁護士に公正証書遺言の作成を依頼した場合には、弁護士と公証人とで話し合いをしながら内容を練るので、かなり信頼性の高い遺言が作成されます。」
 
Lちゃん「なるほど。では、他のメリットは?」
 
太田「まず検認が不要です。例えば封をしてある自筆証書遺言、これ、訳が分からなくて開封しちゃったら過料になるかもしれない(民法1005条)ので、絶対開封しないでくださいね。封をしてある遺言、封をしてない遺言、いずれも発見したらすぐに家裁で検認の手続を経る必要があります。でも公正証書遺言は検認する必要がないの。」
 
Lちゃん「ちなみに開封しちゃったら、その遺言は無効ですか?」
 
太田「いや、開封したこと自体は遺言の有効性には影響がないの。だから、開封してもそのまま家裁で手続をしましょう。」
 
Lちゃん「それは良かった! しかし、公正証書遺言以外の遺言だと、検認とか遺族に手間をかけそうですよね。」
 
太田「他にも、公正証書遺言だと遺族が楽な点があってね。自筆証書遺言だと無くすかもしれないじゃない?」
 
Lちゃん「片付けとか引っ越しとか、紙一枚だと無くす恐れはありますね。」
 
太田「みんなで探しても発見されないとか…困りますよね。公正証書遺言だと無くす心配だけはないから。」
 
Lちゃん「それだけでも安心です。」
 
太田「しかも! 昭和64年元日以降に作成された公正証書遺言はオンラインシステムで、どこの公証役場に保管されているか検索できるんですよ。全国の公証役場で可能です。その際、謄本の交付も請求できます。」
 
Lちゃん「それはすごい! じゃあ、試しに横浜西口の公証役場へ行って、うちのお父さんが公正証書遺言を作ってないか検索してみようかな。」
 
太田「Lちゃんのお父さん、まだ50代じゃないの、気が早い(笑)。それに、今は検索できないですよ。」
 
Lちゃん「えー! どうしてですか?」
 
太田「まだ亡くなってない人の遺言は、遺言した人本人しか検索できないの。あと、亡くなってからも法定相続人や受遺者、遺言執行者などの利害関係人しか検索できない。検索するには戸籍など利害関係人であることを証明する書類と、あと本人確認のための身分証明書が必要です。」
 
Lちゃん「誰がいつでも見られるわけじゃないんですね。そっか…。」
 
太田「でも、法定相続人からしたら便利なシステムだと思いますよ。相続する人のことを考えたら、やはり公正証書遺言ですね。」
 
Lちゃん「先生、自筆証書遺言で構わないから遺言書いといてくださいね。」
 
太田「いきなりなんですか(笑)」
 
Lちゃん「先生の全財産は私に遺贈するという内容でお願いします♡ どうせ先生が先に死ぬんだし、どうせ結婚もしないなら…そうしたら喜んで葬式出しますよ!」
 
太田「分かった、そうする。ただし、今も大した財産はないけど、葬式費用を残して死ぬまでに使い切ることにした!」
 
Lちゃん「えええ!」
 
太田「そのかわり、多分現金がほとんど釣り道具に化けてるので、竿やリールをいっぱいもらうことになりますよ。老後の楽しみにどうかね。」
 
Lちゃん「逆に嫌がらせだ…」