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コラム
Column
離婚・男女問題

継続性の原則と寛容性の原則②

Lちゃん「昨日の続きなんですが、例の事件の松戸支部判決が寛容性の原則を重視して、お子さんと別居している男性に親権を認めたのはよく分かりました。ですが、東京高裁の判決はなぜ女性に親権を認めたのでしょう?」
 
太田「まあ、一言で言うと継続性の原則を重視したんだな。従来どおり。」
 
Lちゃん「はあ。」
 
太田「まだ判決の全文は読んでないんですけどね。一審は昨日言ったとおり、男性が面会交流をたくさん認めたことを重視していますが、高裁判決は、面会交流をいっぱい認めることが他の事情より重要じゃないと言っているようです。」
 
Lちゃん「ですよね。そこだけで親権者を判断するのは何か違うと思ってました!」
 
太田「むしろ、100日も面会交流を認めたら子どもに負担でしょうが、とも言ってるみたい。ニュースによると。」
 
Lちゃん「大変ですよね、子どもにしてみたら。」
 
太田「まあ、一応男性側の擁護をしておくとね、今の単独親権という日本の制度の中で、共同親権類似の状況を作りたかったんじゃないかなあ?と思うんですよ。」
 
Lちゃん「また新しい言葉が出てきた! 共同親権…」
 
太田「話すと長いからやめておきますが、まあ離婚してもお父さんとお母さんが仲良く子どもを育てましょう、という風に持っていきたかったのね、おそらく。でも、この事案でそれができるのかどうかは結構疑問でね。一審判決の離婚についての判断のところを見たら、双方プライドが高くて事あるごとに衝突を繰り返したって書いてあるの。」
 
Lちゃん「それはダメそうですね…」
 
太田「だもんで、共同親権って理想ではあるかもしれないけど、現実には難しいと思うんだ。もちろん、離婚してもお子さんの面会交流をたくさんやって、それでうまくいってる元夫婦もありますよ。だけど、それって憎しみ合って離婚したのではない元夫婦ですから。」
 
Lちゃん「激しくバトルした末に離婚した場合だと…」
 
太田「離婚でバトルしたかと思ったら、今度は子どもの教育方針でバトルとかね。現実に離婚後の面会交流で揉めたパターンを見てるもんで、簡単に共同親権とか言えないんだわー。あと、元夫婦のどっちかが再婚するじゃないですか? 今度は再婚相手が紛争の火種になったりするのよ。再婚相手が面会交流について気にくわないとか、再婚しなかったほうが再婚相手にかみつくとか。」
 
Lちゃん「バトルは続くよどこまでも。」
 
太田「巻き込まれる子どもがかわいそうなんですよね。だったら従来どおり継続性の原則で判断して、父母双方に精神的余裕があるなら面会交流を自主的に増やしていくってのが今のところ一番マシなやり方なんじゃないか?って思う。」
 
Lちゃん「親子断絶法推進派の方々に叱られそうな…」
 
太田「そもそも法制度化が馴染まないと思うようになったのね。それこそ、夫婦の数だけ事情がありますから。継続性の原則で、というとすぐに連れ去りを正当化するのか、とか離婚ビジネスがどうだとかいう人がいるんだけど、私自身は別に連れ去りは推進してないですし、虚偽の保護命令申立もなくなればいいと思ってる。それこそ男性側の親権の事案も(難しいことは説明の上で)引き受けますしねぇ。」
 
Lちゃん「そんな言い訳をしてじゃないと自分の意見が述べられない現状が…(笑)」
 
太田「述べられないわけじゃないけど、的はずれな批判をされても面倒じゃない? 前にも書いたと思うけど、フェミニズムにも与しないし、親子断絶法推進派にも関わりたくありません。仕事上、私は相談があれば、現状の実務からみてどうしたらいいかを考えるだけです!」


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