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コラム
Column
離婚・男女問題

内縁の妻による財産分与請求。

太田「通常、夫婦が離婚すれば共有財産を半分ずつ分けることになりますよね。じゃあ、死別の場合はどうだ?」
 
Lちゃん「財産分与じゃなくて、配偶者の財産を相続しますから、そもそも財産分与という概念は考えなくていいのでは?」
 
太田「その通り! じゃあ、内縁の夫婦の場合はどうですか?」
 
Lちゃん「まず、内縁夫婦が別れたら、共有財産について財産分与をすることが可能です。ネットで知りました♡」
 
太田「じゃあ、内縁夫婦が死別したら?」
 
Lちゃん「内縁の配偶者だと相続はしないから…財産分与を認めないとおかしくありません?」
 
太田「問題意識としては正しいと思うのですが、判例はどうなんでしょうね。」
 
Lちゃん「まさか認められないとか?」
 
太田「その、まさかなんですよ。」
 
Lちゃん「えーっ、酷い!」
 
太田「最高裁判例がありまして、平成12年3月10日決定(民集54巻3号1040頁)です。」
 
Lちゃん「最高裁はどんな理由で内縁の配偶者の財産分与を認めないと言ってるんですか?」
 
太田「めんどくさい言い回しですが、そのまま書きますね。『死亡による内縁解消のときに、相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので、法の予定しないところである。』ですと。」
 
Lちゃん「何で哲学的言い回しなんですか(笑)」
 
太田「知らん(笑)。まあ、相続は戸籍によってかっちり決められるべきものだから、それ以外の関係で影響されるべきではない、ってことみたいね。」
 
Lちゃん「そう言われても…相続ってそんなにエライんですかね。例えば、内縁の夫を亡くなるまで看病した女性には全く取り分がなくて、疎遠だった子どもに遺産がいくんでしょう? 」
 
太田「そんな結果にならないように、ちゃんと入籍するか、内縁の夫に遺言を書いてもらうかしないとダメだ、という最高裁のメッセージのようです。」
 
Lちゃん「遺産に関しては、生前にカップル間でよくよく話し合った方がいいですね。」