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コラム
Column
離婚・男女問題

ハーグ条約に関して最高裁判決が出ましたね。

太田「うわー、私、失敗した! 初めから東京高裁に申し立てするんだった。」
 
Lちゃん「何を凹んでるんですか?」
 
太田「あのね、昨日、ハーグ条約に関して最高裁判決が出たでしょう?」
 
*「子の返還拒否は著しく違法」最高裁初判断
https://mainichi.jp/articles/20180315/k00/00e/040/320000c
 
 
Lちゃん「えーと、<国境を越えた子の連れ去り防止を定めた「ハーグ条約」に基づく裁判所の返還命令に従わないのは違法だとして、米国在住の父親が息子(13)を連れて帰国した母親に子の引き渡しを求めた人身保護請求の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は15日、「父親の請求を認めるべきだ」として、父親側敗訴とした1審判決を破棄し、審理を名古屋高裁に差し戻した。>と。それが何故凹んでる原因になるんですか?」
 
太田「審理を名古屋高裁に差し戻したんですよ。人身保護請求は二審制なのに。」
 
Lちゃん「ハッ! そうでしたね。この前の人身保護請求のとき、もし最高裁に行ったら云々って先生言ってましたもんね。」
 
太田「修習時代に地裁で人身保護請求見たせいで、人身保護請求の一審は地裁だと思いこんでたんだよ! でも条文見たら高裁にもできるって…」
 
 
<人身保護法第4条> 第2条の請求は、書面又は口頭をもつて、被拘束者、拘束者又は請求者の所在地を管轄する高等裁判所若しくは地方裁判所に、これをすることができる。
 
 
    Lちゃん「まあ、神奈川県内の事件なら横浜地裁ないしその支部に請求するのが普通でしょうけど…あの事件はほんっと横浜地裁でやってイライラしましたね。」
 
   太田「ね、守秘義務の関係もあって詳しくは書けないけど、あんなに横浜地裁にイライラしたことはない! 次からは東京高裁に請求するようにする!!」
 
   Lちゃん「滅多にある事件ではないですけどね。しかし、このハーグ条約の件も、最初名古屋高裁に請求したんですね。」
 
   太田「地裁レベルの手に負えないと判断したかな? なんせハーグ実施法の引渡命令を被請求者側が拒否した事案だからさ。普通の子の引渡しの執行に抵抗した事案じゃないし。」
 
  Lちゃん「結論・理由ともに妥当なように思うんですよね。裁判所の返還命令に従わず子を保護下に置くことは、特段の事情がない限り著しく違法な身体拘束に当たる、と。で、今回は特段の事情はない、と。」
 
太田「でも、これ、仮に人身保護請求の前がハーグ実施法じゃなくて国内で家事事件手続法でやってたらなら、お父さんの望みの薄い事案よね。なんだろう、日本人夫婦なのに国内とアメリカとで結論が違ってくるのは…」
 
Lちゃん「悩み過ぎるとハゲますよ! そういう条約だから、でいいじゃないですか。」