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離婚・男女問題

不貞慰謝料請求訴訟を離婚訴訟に併合できる?

Lちゃん「ちょっと待ってください! 不貞慰謝料請求訴訟は地裁で、離婚訴訟は家裁ですよ? そんなことができるんですか??」
 
太田「いつもではないでしょうが、理屈の上ではできるんですよね。要は不貞慰謝料請求訴訟の方を家裁に移送しちゃえばいいの。」
 
Lちゃん「いや、そんなことが本当にできますか?」
 
太田「事実、裁判例があるんですよ。横浜地裁平成25年2月20日決定(裁判所ウェブサイト)です。Lちゃん、検索して読んでごらん?」
 
Lちゃん「えー、どれどれ…わー本当だ! 慰謝料請求訴訟が横浜家裁に移送されています!」
 
太田「この事案ね、要は妻が夫の不貞相手を訴えたんだけど、不貞相手は自分たちの交際以前に婚姻関係は破綻してたじゃないか、って言って争ってたのね。」
 
Lちゃん「よくあるパターンです。」
 
太田「で、その訴訟が係属したあと、今度は夫が妻を被告にして離婚訴訟を提起したんです。だもんで、妻が人事訴訟法8条1項に基づいて、慰謝料請求訴訟を横浜家裁に移送するよう求めたんです。」
 
Lちゃん「夫の交際相手からしたら、何で家裁なのよ、ってなりそうな…ちなみに人事訴訟法8条1項って何でしたっけ?」
 
   太田「ほれ、条文。」
 
 
   【人事訴訟法8条1項】
家庭裁判所に係属する人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求に係る訴訟の係属する第一審裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより、当該訴訟をその家庭裁判所に移送することができる。この場合においては、その移送を受けた家庭裁判所は、当該損害の賠償に関する請求に係る訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。
 
 
Lちゃん「あ、この条文を見たらできそうです♡」
 
太田「どう考えても、慰謝料請求訴訟と離婚訴訟を併合でくっつける目的の条文です。で、この決定、一つポイントがあるのよ。」
 
Lちゃん「なんですか?」
 
太田「実は、この決定の事案、慰謝料請求訴訟の弁論準備手続が3回済んでて、そろそろ尋問ってところまで行ってたのよ。」
 
Lちゃん「えっ。そこまで来て家裁へ移送ですか?」
 
太田「まあ、一回尋問期日が決まってたけど、もう一度弁論準備手続に付されたみたいではある。でもこれって、ある程度慰謝料請求訴訟が進んでても移送申立てしてOKってことよね。」
 
Lちゃん「そうですね…」
 
太田「なので、最近、不貞慰謝料請求だけ取り扱う弁護士がいますけど、いつのまにか離婚訴訟と併合されたりして、その弁護士が離婚訴訟をやらざるを得ない事態になる可能性がありますよ。」
 
Lちゃん「決定の例じゃなくて、夫婦間で慰謝料だけ請求してるパターンですね。」
 
太田「そうそう、妻が夫に慰謝料請求だけ訴訟してたら、夫が離婚調停・離婚訴訟を始めて、あれよあれよと言っているうちに、離婚訴訟に慰謝料請求訴訟が併合。だもんで、不貞慰謝料のみ請求したいと思ってても、不貞慰謝料請求だけ取り扱う事務所より、離婚事件も扱ってる事務所の方が後々を考えてよろしいかと思います。」
 
 
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