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コラム
Column
離婚・男女問題

自宅不動産を除外して財産分与を行ない離婚した、その後。

Lちゃん「昨日の続きですね。離婚したはずの元配偶者が出て行かないっていう…財産分与未了で、かつ夫婦共有財産たる自宅の価値がアンダーローンならば、当然には出て行かせることができないというお話でした。でもオーバーローンで財産分与の対象外だった場合はどうなるのかという疑問が残っています。」
 
太田「まあ、結論としては財産分与の対象から外して財産分与を済ませたわけだから、自宅は名義人の単独所有ですよね。所有者でない元配偶者には離婚後は住む権利がないはずです。これが原則。」
 
Lちゃん「原則ということは例外があるんですか?」
 
太田「例えば、名義人でない方の配偶者が、自宅取得にあたってかなりの額を出捐していたらどうなりますか? 結婚前の貯金(これは特有財産)を自宅取得の頭金なんかにしていたような場合です。」
 
Lちゃん「うっ、その場合は確かに、頭金を払った方は『私にも住む権利あるよ!』って言いたくなりますよね。」
 
太田「ですよね。ただ、だからといってずっと居座られちゃうと困ります。そこで上記のようなケースにおいて裁判所はどんな判断を下したのか、というのが東京地裁平成24年12月27日判決(判時2179号78頁)。」
 
Lちゃん「どうなったんですか?」
 
太田「前提として、原告(自宅名義人)は被告に対して、建物の明け渡し以外に建物使用料分の損害賠償を求めてたんですけどね。建物明渡しの方は請求棄却になって、損害賠償請求の方は一部認容。つまり、建物全体の使用料のうち、原告の持分の割合だけ出て行くまで払いなさいね、という結論でした。」
 
Lちゃん「あ、割と腑に落ちる判決ですね。」
 
太田「何でそうなったかというと、やはり自宅を取得する際に被告が結婚前の貯金をはたいてかなりの金額(判決文によると800万円)を払っていることが大きいです。もっとも、この判決、夫婦が同居期間中のローンの支払い分についてその半分を被告の持分割合に加味してるのが謎なんですけどね。だって、自宅を除外して財産分与したわけだから、後から自宅の一部は夫婦共有財産かって点は考える必要ないわけじゃない? 他にも疑問な点はあるんですけど、大枠で見たときに建物明渡しは請求棄却、損害賠償請求は一部認容という結論自体は妥当なものだと思います。」
 
Lちゃん「住むのはいいけどタダじゃダメですよ、って話ですね。しかし、この元夫婦、判決後はどうしたんでしょう…」
 
太田「どっちかが控訴したってのまでは分かるんですが、被告が出て行ったのか、共有物分割請求したのか、その辺はよくわかりません。最終的にはお金で解決する問題だろうとは思います。」
 
 
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