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コラム
Column
離婚・男女問題

面会交流の費用負担。

太田「面会交流の費用って時々問題になるんですけど、どっちが負担するべきか審判例があったのでご紹介。札幌家裁平成24年4月9日の審判ですよ。」
 
<面会交流は子の福祉のために実施するものであって,面会交流に係る費用については,面会交流実現のためにそれぞれの親が支出したものについては,支出した者が負担すべき筋合いのものといえよう。>
<非監護親と未成年者との面会交流は,親と子の双方にとって親子間の自然な情愛に基づくものであり,未成年者の安定的で健全,幸福な成長を促すために実現されるものであるから,面会交流に係る費用は各自の負担とするのが公平である。>
 
Lちゃん「えーと、これはどういうことですか?」
 
太田「この審判例のケースだと、母親と子どもが札幌で、父親が仙台にいるのね。面会交流するには父親が札幌に行くべきだ、と判断した後の続きの文章がこれだから……」
 
Lちゃん「その交通費は父親がもちなさい、ってことですか。飛行機の距離じゃないですか、大変ですね。」
 
太田「実はこんな事案、結構あるんですよ。だけど、だいたい非監護親が費用を負担しなさい、って話になりますね。じゃあお金のない親は子どもに会えないの?って疑問が生じるわけですが。」
 
Lちゃん「場合によっては、監護親が費用を負担したほうがいいケースもありますよね。」
 
太田「交通費もそうだけど、面会交流の第三者機関を利用する場合に、その第三者機関の費用はどうするかというのが議論になることもあります。案外安くないんですよ、これが。」
 
Lちゃん「第三者機関の利用料も非監護親持ちですか。」
 
太田「その審判例からするとそうなりそうですね。でも常にそうだと面会交流の実施が困難になりかねないので、できればケースバイケースで考えていきたいですよね。」