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コラム
Column
離婚・男女問題

結局、養育費には何が含まれるのか?

太田「要するに、養育費っていうのは子どもを養育するために必要な費用ってことだから、子どもを養育するに当たって必要な費目全部が含まれているという解釈になります。」
 
Lちゃん「食費とか衣服費とか、学費とか医療費とか……」
 
太田「住居費とか、塾代とかそういうのも込みなんですよ。『それにしては少ないじゃないか!』とお怒りの方もおられると思うでしょうけど、ポイントは養育費が『生活保持義務』だということです。」
 
Lちゃん「生活保持義務……聞いたことありますね。」
 
太田「生活保持義務というのは、子どもに対して自分と同程度の生活水準を保障する義務です。だもんで、平たくいうと、収入の少ない親からはそんなに請求できません。『無い袖は振れない』って言いますけど、まさにその通りなんです。で、『振れる』袖の範囲を示したのがあの算定表なんですよ。」
 
Lちゃん「なるほど。高望みは良くないってことですね。」
 
太田「例えば、プラスアルファで塾代とか出してもらおうとか、あまり考えないことですね。義務者の年収によっては、それは『高望み』になってしまうんです。ただ、算定表に含まれてなくて、別途請求できるかもしれないものがあります。」
 
Lちゃん「え、なんですか?」
 
太田「私立学校の学費です。算定表って、子どもが公立学校に通学することを前提に作られているの、知ってましたか?」
 
Lちゃん「それは初耳です! じゃあ、子どもが私立学校に進学した場合には別途私立の学費も加算して請求できるんですね。」
 
太田「必ず請求できるわけじゃないです。さっき言った通り、『無い袖は振れない』わけだから、子どもが私立に進学するのが分不相応だと判断されると認められません。義務者の収入や学歴などから判断、ですね。」
 
Lちゃん「やっぱりそうですか。」
 
太田「あと、判断要素として、『義務者が私立学校への進学に賛成していたか』というのも考慮される傾向にあります。あと、算定表に学費全部上乗せというわけではない。算定表には公立学校の学費が含まれているわけだから、差額について父母双方の収入で按分するってことですね。」
 
Lちゃん「婚姻費用についても同じ考え方でいいですか?」
 
太田「基本的には同じです。婚姻費用は養育費プラス配偶者の生活費ですからね。」
 
Lちゃん「ふーむ。養育費、案外奥が深いです。」
 
太田「そうかな? 生活保持義務だって理解してればだいたいのことは自ずと結論が出ると思うんですよ。例えば、極端な例でいうと、父親が医師で高収入なのに、子どもが私大に行ったらその学費を出さないっておかしいでしょ。逆に、父親が年収300万とかなのに、子どもが私立中学に入ったのでその学費を出して、ってなると『それはちょっと……』って。」
 
Lちゃん「結局は常識的な判断がされるということですね。」