離婚・男女問題
面前DVは児童虐待である!
太田「案外忘れられがちな視点なんですけど、子どもの面前でのDV、すなわち面前DVは児童虐待なんです。児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)の定義を見てください。」
第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
Lちゃん「ちゃんと法律で決まってるんですね!」
太田「だもんで、DVで警察呼ぶでしょ? で、警察がそのDVについて子どもの面前で行われたと判断したら、児相に通告するようになったの(法6条1項)。」
Lちゃん「最近、DV案件で警察だけでなく児相がよく出てくると思ったら、そういうことだったんですね。」
太田「うん。昨日引用した記事をもう1回引用するね。」
子どもが見ている前で親が… 急増する「面前DV」深刻な心の傷
https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/support/8335/
<虐待の疑いで警察から児童相談所に通告される子どもの数が増えています。今年上半期(1~6月)に通告された件数は3万7113人(前年同期比22.6%増)にのぼります。中でも急増しているのが面前DV(ドメスティックバイオレンス)で、6年前の約7倍です。どちらかの親が子どもの前で、配偶者に暴力をふるったり、暴言を吐いたりする行為です。>
Lちゃん「記事のグラフ、面前DVがうなぎのぼりです。」
太田「それだけ警察が児童相談所に通告するようになったんだよ。記事にも<背景には、警察がDV事案にかかわった際、その家庭に子どもがいれば、児童相談所に通告することが徹底されてきていることがあります。>って書いてあるね。」
Lちゃん「面前DV=児童虐待、っていうことがもっと周知されないといけないですね。」
太田「本当にそう。で、DVは加害者が悪いのはもちろんなんだけど、被害者がいないと面前DVは発生しないわけで。DV被害者の方、『子どものために離婚できない』なんて言ってる場合じゃないですよ。むしろ子どものために離婚してください! 以上、一弁護士からのお願いです。」