無料相談ダイヤル
TELTEL: 045-328-3500
MAIL
コラム
Column
その他法律問題

甲類審判事件、乙類審判事件。

Lちゃん「危険物取扱者も甲種・乙種・丙種って分かれてますよね。ガソリンスタンドだと甲種か乙種第4類の危険物取扱者がいないといけないんです。」
 
太田「そうだっけか。」
 
Lちゃん「あと、焼酎も甲類と乙類がありまして……」
 
太田「もういい(笑)。今日は家事審判法の甲類と乙類の話です。タイトル通り、審判事件は甲類と乙類に分かれてまして、前者は家事調停の対象とすることが予定されていない家事審判事件、後者は家事調停の対象とすることが予定されている家事審判事件、のことです。」
 
Lちゃん「ほう。」
 
太田「昔は家事審判法の9条1項で甲類・乙類って分けて記載されていたんですけど、今は家事審判法が廃止されたので、それぞれ家事事件手続法の別表1と別表2ですね。呼び方だけ昔のまんまの人もいるの。」
 
Lちゃん「甲類審判事件と乙類審判事件にはどのようなものがありますか?」
 
太田「まず甲類、これは紛争性が薄くて対立当事者が想定されないから、調停をしないで裁判所が審判で決めちゃうの。具体的には後見開始や後見人の選任(保佐・補助も)、失踪宣告、身近なところでは子の氏の変更の許可なんかもそうです。家裁で待ってると遺言書の検認で来てる人もいますがこれもそうだし、あと性別の取扱いの変更、これも甲類審判事件。たくさんあるので、家事事件手続法の別表1をご覧ください。」
 
Lちゃん「対立する相手方はいなくて、裁判所に許可してもらうイメージですね。一方の乙類は?」
 
太田「対立する当事者がいるから、基本的にはまず調停による解決が望ましいと考えられている事件です。離婚事件でおなじみの、婚姻費用分担請求の審判がこちら。審判を申し立てても、だいたい付調停になりますね。あとは離婚後の財産分与とか、親権者変更とか。相続事件だと遺産分割の審判も乙類。今は別表第2審判事件だな。」
 
Lちゃん「あれ? 離婚調停は何類なんですか。」
 
太田「離婚は審判がないのでね。離婚調停は一般調停に分類されていて、不成立になれば当事者のどちらかが離婚訴訟を提起しないと離婚が決まりません。ちなみに、婚姻費用分担調停みたいな審判に移行する調停は乙類調停事件と呼ばれています。ベテランの調停委員なんか、今も、『コンピは乙類だから(審判に移行しますよ)』なんて言い回しをします。」
 
Lちゃん「へー。」
 
太田「だもんで、みなさんも、もし調停委員が『コンピは乙類だから』なんて口走ったら、『はいはい、不成立なら審判に移行するのね』って心の中で思っておいてください。これであなたも家事事件通です!」
 
Lちゃん「通になってもあまりウンチクを披露する場所がないですけどね(笑)」
 
太田「比較的若い調停委員や裁判官は、乙類じゃなくて、別表第2調停って言うと思うんですが、同じ意味なので慌てなくてよし。」
 
Lちゃん「調停委員や裁判官の口走るジャーゴン的なものまで理解しなくても、調停はできますからご安心を。」
 
太田「でも分かったほうが面白いじゃないですか! だもんで、私もこの記事を書いてみました。」
 
 
☆調停委員の用語が理解できないという方がおられるので、一部解説してみました☆


無料電話相談はこちらへ

無料メール相談はこちら

LINEトークID
0125@asiro