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コラム
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LGBT

台湾の同性婚法について

※日本と違って台湾では同性婚が可能になった、日本は台湾より遅れているという主張がなされますが、そもそも台湾の同性婚に関する法律はどうなっているのでしょうか?
 
Lちゃん「2019年5月24日、アジアで初めて台湾で同性婚が認められるようになりましたが、それに比べて日本というのはいつまで経っても同性婚が認められそうな気配がないですよね。」
 
太田「ちょっと待ってください、みんな簡単にそう言いますけど、台湾の同性婚法は制限があって、同性カップルの権利を異性カップルと完全に同じように認めたものではないのです。」
 
Lちゃん「あれれ、それは初耳です!」
 
太田「仕方のないことです。報道などでは『台湾で同性婚が認められた』という光の部分のみフォーカスして伝えられるので。そもそも、台湾には同性婚反対派も多くて、反対派に配慮する形で立法がなされています。そもそもですね、台湾の場合、既存の民法ではなく、わざわざ特別法を作って同性婚を認める形にしているんですよ。特別法。この時点で男女間の婚姻とは別のものであることが分かります。」
 
Lちゃん「あ、てっきり民法を改正したのかと思いました。」
 
太田「違います、わざわざ特別法を作ったんですよ、そこがポイントです。」
 
Lちゃん「そうすると、男女間の婚姻と比べて何が違うのでしょう?」
 
太田「まず第一に、台湾人と外国人のカップルの場合、外国人のほうの国で同性婚が認められていない場合には同性婚できません。これは、台湾の同性婚法において婚姻の準拠法を定めていないので、婚姻の成立要件・方式については各当事者の本国法によることになるからです。」
 
Lちゃん「あら、単純に台湾人の方となら台湾で同性婚できると思っていたんですが、そうではないのですね。」
 
太田「そうなんです。もっとも外国人との同性婚を認めようという議論はなされていて、今はパートナーシップ登録までは認められています。日本の各自治体で認められている同性パートナーシップ証明制度と同じようなものですが。」
 
Lちゃん「なるほど、他に何か制限はありますか?」
 
太田「養子の問題です。同性婚の相手方の実子を養子とする、いわゆる連れ子養子は認められましたが、例えば同性カップルが共同で他人の子を養子に迎えることや、カップルの一方の養子を他方が養子とすることができないのです。」
 
Lちゃん「そうすると、カップルのどちらとも血のつながらない子どもについては常に片親になってしまいますね。不自然ですよ。」
 
太田「あとは台湾の同性婚法に規定がないため、同性カップルが人工生殖技術で子どもを持つことができなかったり、カップルの他方の血族との間に姻族関係が発生しなかったりします。この辺りは反対派の意見を汲んでのことなんでしょうけど。」
 
Lちゃん「ふーむ、確かに異性カップルの結婚とはまた違った法的効果が生じるようですね。手放しで喜べるものではない。」
 
太田「そもそも、台湾で同性婚が認められた背景としては、蔡英文総統が同性婚推進派だったということのほか、中国との差別化を図るという政策的意図もあって、ですね。単純に、『さすが台湾、進んでる~!』というのとはまた違う、複雑な事情があるようなのですよ。そういうわけで、日本でも『どういう形で同性婚が認められるべきか』というのを慎重に議論する必要がありますね。」
 
 
☆なかなか難しい問題をはらんでいる同性婚法です☆

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