その他法律問題
交通費の過大請求。
太田「Lちゃんはやってないと思うんですが、交通費を多めに申告してないでしょうね?」
Lちゃん「住所は今も履歴書の通りですし、ちゃんと購入した定期の写しも、領収書も出してますよ!」
太田「…って感じで細かくやらないと無くならないのが職場における交通費の不正受給です。こういう話、結構多いのよねー。」
Lちゃん「細かい金額でもバカになりませんからね。塵も積もれば山となる。もし、従業員が交通費を過大に受け取っていたら、会社はどうしたらいいんでしょうか。」
太田「法的構成としては不当利得に基づく返還請求ですよね。実際には、まずは話し合いで任意に返してもらうことが多い。」
Lちゃん「社内の処分は? 例えば懲戒解雇なんかは重すぎると思うんですが…」
太田「ケースバイケースで、悪質だと懲戒解雇が有効になることもあるんですよ。」
Lちゃん「えっ? そうなんですか??」
太田「東京地裁平成11年11月30日判決でね、品川在住なのに宇都宮に住民票を移して4年半もの間、合計231万円の通勤手当を受け取っていたケースなの。」
Lちゃん「ひどい、品川と宇都宮ではえらく距離があるじゃないですか(笑)。」
太田「他にも、勤務態度にかなり問題があったみたいで、通勤手当の件とこの勤務態度がポイントで懲戒解雇が有効になりました。でもまあ、通常は交通費の不正受給程度では懲戒解雇は無効になりますね。」
Lちゃん「交通費や通勤手当の不正受給について、会社はどういう対策をすれば良いでしょうか?」
太田「とにかく、交通費や通勤手当をごまかすという風土を放置しないことですね。あとは通勤経路や交通手段なんかを徹底してチェックする。定期券や領収書は間違いなく提出させる!」
Lちゃん「就業規則にも書いておいた方がよさそうですね。」
太田「書くだけじゃダメで、周知徹底しないとね。就業規則なんだからさ。」
Lちゃん「ところで、私、ダイエットのために時々事務所まで自転車で来ようかなって思うんですけど…」
太田「Lちゃんは定期でいいよ。どうせ続かないだろうから。」
Lちゃん「キーッ! 意地でも続けてやる…」