その他法律問題
公正証書遺言の内容を知る方法
※被相続人と生前疎遠だと、そもそも公正証書遺言が作成されているかどうかも分からないですよね。どうすれば公正証書遺言の有無や内容を知ることができるでしょうか。
Lちゃん「どうも母方の祖父が公正証書遺言を作ったという噂が親戚から流れてきて、うちの母がそれを気にしているんですよね。母は三姉妹で一人は亡くなったんですけど、もう一人の姉妹と遺言で差をつけられているのではないかと・・・。」
太田「まあよくある話ですな。」
Lちゃん「どうやったら祖父の作ったらしい公正証書の内容を調べることができますか?」
太田「そのおじいさんはご存命なのですよね? そうするとおじいさん本人以外は公正証書遺言を閲覧することができません。」
Lちゃん「ええ~! 推定相続人である母もですか?」
太田「そうそう。公正証書遺言を作成した人が生きている間は、作成者本人以外は誰も閲覧できないの。」
Lちゃん「せめて、公正証書遺言があるかないかくらいは調べられませんか?」
太田「それも無理です。作成者の存命中は、本人以外存在の有無すらも調べることができません。これは、推定相続人などから作成者本人に圧力がかかることを防ぐ趣旨です。」
Lちゃん「じゃあ、すべては祖父が他界してからになりますね。もし、祖父が亡くなったらどうやって公正証書遺言があるかどうかを調べるんでしょうか?」
太田「もし、どこの公証役場で公正証書遺言を作成したか分からない場合には、まず最寄りの公証役場に行ってください。そうすれば遺言検索システムで遺言者の住所・氏名・遺言作成日・作成した公証役場が分かります。その際は、手ぶらではだめで、被相続人の除籍謄本、相続人と被相続人の関係を示す戸籍謄本、身分証明書(免許証やパスポートなど)などが必要になります。詳細は公証役場にお問い合わせください。」
Lちゃん「結構大変なんですね。」
太田「相続が発生したということと、法定相続人であるということを示す必要がありますからね。これで公正証書遺言を作成した公証役場が分かるので、その公証役場に行けば、公正証書遺言の原本閲覧や謄本の交付を請求することができます。その際も、被相続人の除籍謄本や相続人と被相続人の関係を示す戸籍謄本、身分証明書(免許証やパスポートなど)などが必要になりますよ。」
Lちゃん「謄本がもらえるんですね!」
太田「そうそう。でもタダじゃなくて手数料がかかります。なお、公証役場に出向く際には、事前に電話で予約しましょうね。」
Lちゃん「分かりました。とりあえず今日の話を母に伝えておきます♡」