その他法律問題
遺産に要らない不動産しかない場合
Lちゃん「お母さんと伯母さんが私に売りつけようとしている地方のあまり価値のない土地ですが、仮に二人が相続放棄してたらどうなるんですか? やはり国庫に帰属する??」
太田「最終的にはそうなるんですが、なかなか大変ですよ。相続財産管理人を選任する申し立てをしなくちゃいけない。」
Lちゃん「相続放棄をしたらおしまいではないのですか。」
太田「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。民法940条1項ですね。」
Lちゃん「お母さんと伯母さん以外に叔母さんの相続人はいませんが…」
太田「すると、民法951条により、叔母さんの遺産が法人になります。で、952条1項により、お母さんと伯母さんが相続財産管理人の選任を家裁に申し立てる、と。」
Lちゃん「待ってください、その申し立て費用はタダじゃないんですよね?」
太田「お母さんと伯母さんが払うようになります。申し立て費用だけじゃない、相続財産管理人の報酬も、です。」
Lちゃん「ええ!」
太田「普通は相続財産の中から報酬が支払われるんですが、相続財産では足りない場合には申立人が払うように…まあ叔母さんのケースだと預貯金を遺してくれているから相続放棄しても大丈夫かなと思うのですが、売れない不動産だけだったりすると…」
Lちゃん「寒気がしてきました。相続財産管理人の報酬ってどのくらいでしょう?」
太田「ケースバイケースですが、数十万〜100万程度かと。」
Lちゃん「固定資産税を払いたくないから放棄するのに、放棄したら今度は相続財産管理人の報酬を払う羽目になるんですね。本当に寒気がしてきた!」
太田「Lちゃんも考えておいた方が良いですよ。広島のご実家…」
Lちゃん「うちの実家はその地区の中心地に近いところですから♡ それより先生の実家は徳島市内でも狭くて入り組んでる場所に…」
太田「キェー、余計なことを思い出させるな! 親、100万とか50万とかで構わないから早く売れよ!!」