Lちゃん、テロ等準備罪に慌てる
Lちゃん「先生、やっぱり共謀罪って危険じゃないですか、ウソつき!」
太田「何をそんなに焦ってるんですか(笑)」
Lちゃん「多分、先生以外の弁護士はみんな危険だって言って反対してますよ?」
太田「さすがに弁護士全員が反対ではないだろう。日弁連とかは反対してますが…私も大賛成ってほどではないのよ。ただ、成立しても慌てる必要ないって思うだけで。」
Lちゃん「そうなんですか? 先生は共謀罪の適用範囲は組織的犯罪集団に限られると言いました。でも、合法的な組織が途中から犯罪集団になった場合でも、共謀罪は適用されるらしいじゃないですか!」
太田「そりゃ、最高裁判例(平成27年9月15日決定)があるからね。で、結論としては妥当だと思うんですよ。過激派の組織だって、最初は大学の授業料値上げに反対する集まりだったりしたわけでしょう?」
Lちゃん「本当の問題はそこじゃないんです! ある組織・集団について組織的犯罪集団だと認定するために、警察は長い間その組織を監視する必要がありますよね? ってことは、法が警察による一般市民の長期監視を認めることにならないですか?」
太田「なるほどー。誰か弁護士が書いた記事を読みましたね? よく勉強してる、えらい、えらい。」
Lちゃん「えへへ…じゃない、先生はそんな危険を一般市民に甘受しろというんですか!」
太田「はい。」
Lちゃん「えええ! 先生、警察に監視されていいんですか?」
太田「監視されてまずいようなことしてないがな(笑)。平日は家と事務所、裁判所を行ったり来たりだし、休みの日は釣竿持って出かけるし。むしろ見ていただいたほうが、怪しくないことが分かるんじゃないかと。」
Lちゃん「監視されてたら、少なくとも気分悪くないですか?」
太田「そうねー、監視されてるのが分かったら多少気分悪いから、警察に向かってあっかんべーしちゃう(笑)」
Lちゃん「今、脱力しました…」
太田「だってさ、私なんか監視する警察がいたらおバカですよ。職務質問すらされたことのない善良なアラフォーおばさんを!」
Lちゃん「もっと監視すべき対象がいるだろう、ってことですね。」
太田「私なんか監視してるうちによそでテロが起きたら、それこそ職務怠慢です。でね、言いたいのは、警察にも人数に限界があるだろうってこと。したがって、監視対象にも優先順位があるだろう、と。」
Lちゃん「ってことは、結果として一般市民は監視されない、と。」
太田「そうそう。なんで怪しい、監視すべき集団がいっぱいあるのに、一般市民まで監視しますかね? 絶対手が回らないと思うよ。仮にリンデンが怪しい集団と思われて監視されても、Lちゃんなんか仕事以外は飲み食いして寝てるだけじゃないですか。」
Lちゃん「ま、まあ、そうなんですが…」
太田「そんなもん、長い期間監視してたらおバカの極みですよ。それより暴力団や過激派を監視してたほうが、ずっと意味があるじゃないの。」
Lちゃん「はあ、確かに。」
太田「そういうわけだから、安心するように。」
Lちゃん「じゃあ、安心して先生のおごりでの飲み会を共謀していいんですね?」
太田「一方的な押し付けは共謀じゃない(笑)」